M.N. 様

ニューカッスル大学附属英語学校+ニューカッスル大学スタディーアブロード

留学しようと思った理由、目的

私は高校生のころから、海外留学をしたいと考えていました。最初は母が学生時代に果たせなかった夢だからという理由でしたが、大学に入ってからは自分の興味から留学したいと考えるようになりました。留学の目的は以下の3つでした。1つ目に、日本語教育が行われている現場の状況知るということです。私は大学で日本語教員育成課程をとっており、将来もそのような職に就きたいと考えていたため、海外の高等教育機関での日本語教育に興味がありました。2つ目に、英語で話す、聞く機会を得ることです。私は大学で英文学科に在籍していますが、大学では書面での英語学習ばかりが重視され、口頭での英語を学ぶ機会がなかったため、留学は良い機会だと思いました。3つ目に、「オーストラリア英語」について学ぶということです。大学2年生の時、大学で「英語(発達)史」という授業で、英語の多様性について学び、アメリカ英語でもイギリス英語でもない、オーストラリア英語について興味を持ちました。

目的を達成することができたのか

上記で述べたように、私は、①日本語教育について知る②口頭英語を鍛える③オーストラリア英語について学ぶという3つを目的に留学しました。①については、日本語教育のニーズは感じましたが、その後自身の興味分野が変わり、追求しませんでした。②については、ホームステイで鍛えることができました。③については大きな収穫がありました。オーストラリア英語は「訛っている」とよく言われますが、実際は訛っているのではなく、方言みたいなものでした。独特な言い回しやアクセントを知ることができました。

語学学校での学び

私は前期の間、語学学校で英語を勉強しました。語学学校はレベルごとに4段階にわかれており、私は上位2つのクラスで学びました。一番上のクラスでは、大学に入ったら必要なこと(エッセイの書き方、参考文献の書き方など)を学びました。私は日本の大学でそのような事を学んでいたので、少々物足りなさを感じました。苦手としているスピーキングの練習に重点を置いて欲しかったのですが、話せなくて困っているのは日本人学生だけといっても過言でない程他国の学生はスピーキングに自信を持っているようでした(文法が合っている、いないに関わらず)ので、あまり学内で話す練習をすることはできませんでした。英語を日本の大学であまり学習してこなかった学生にも、英語で講義を受けられるようにしてくれるので、語学学校は、しっかりと準備してから大学の講義を受けたい学生には非常に良い学習環境だと思います。

大学での学び

私は、後期に、「日本文化とアイデンティティ」、「日本社会の変容」、「専門家育成(語学教育)」、「意味論(言語学)」という4科目を履修しました。日本の大学の授業とは異なり、1週間に同じ科目の授業がいくつかあります(私が履修したものはほとんど週1でしたが)。半期で3〜4科目を取ることが決まっていました。4科目だと遊ぶ暇はないと語学学校の先生方にご忠告をいただきましたが、どの科目も捨てがたいと思い、4科目選択しました。一番関心を持った授業は「専門家育成(語学教育)」でした。他の学生は英語を第一言語とし、日本語を教えたいという学生でした。私は教育学やSLA(第二言語習得)について学びながら、他の学生が日本語の学習をどう思っているのか知り、時に日本語や日本文化を教える機会を得ることができ、有意義な時間を過ごせました。

大学生活

私は積極的にインターナショナルオフィス主催の活動に参加しました。中でも、iLEADというボランティア活動・リーダーシップ育成プログラムにおいて、現地学生と一緒に国際的なリーダーになるための講義を受けたり、コミュニケーションスキルを育てるために多国籍なメンバーで英会話教室に参加したりと、素晴らしい経験をすることができました。
その他にも、留学生のサッカーチームに所属し、学外の方々とも交流することができました。9月には、インターナショナルオフィス主催の日本文化体験パーティーの役員を頼まれ、企画運営に携わる機会を得ました。大学での活動は様々で、あちこちに色々な情報があります。私は自分で情報を見つけることが少々苦手だったので、インターナショナルオフィスを度々訪ね、有益で的確な情報を得ていました。

滞在先

私は2月から9月中旬まで、ホームステイのお宅で暮らしました。ホストマザーは本当に親切な方で、日本文化も良くご存知な方でした。緊張感や大きなカルチャーショックもなく、食事も健康的で美味しい食事でしたので、不安だった海外生活は、だいぶ楽なものになりました。また、毎日長時間私と会話して下さったので、英会話の練習をすることができました。非常に過ごしやすい環境で暮らしていましたが、せっかくの留学なので、色々なことに挑戦したいと思い、学校の近くのシェアハウスに引っ越しました。ドイツ・ポーランド出身のオーストラリア人、ニューカッスル出身のオーストラリア人と日本人の友人の6人で暮らしました。自分で食事を用意し、他人が同じ家の中で暮らしているという感覚など、慣れない環境でした。しかしその環境にも徐々に慣れ、仲間と仲良く楽しく暮らすことができ、良い選択をしたと感じています。

その他生活

大学にジムが併設されており、週に1、2回スイミングプールを利用しました。私は運動することが好きなので、毎日家の周りを走り、9月に行われたシドニーマラソンにも参加しました。健康的な生活を心がけてはいたものの、持病である胃炎が悪化し、大学内のメディカルセンターにはよくお世話になりました。大学側から加入を義務付けられている留学生用の保険のおかげで、無料で医師の診断や検査も受けることができました(薬代は自腹でしたが)。衛生や保健についての制度が整っている学校だったので、安心して通うことができました。

留学を終えて、まとめ

私は他言語運用の大変さや、言語教育の授業での学びから、言語と心理の関係に興味を持ちました。今後はその分野の研究をしようと考えています。留学する前の関心は専ら日本語教育にありましたので、今回自分がより興味を持つ分野を見つけることができて良かったと思います。留学して、急激な英語運用能力の成長はありませんでしたが、それでも、どのような場合にどのような語を使えば良いのか、また、コミュニケーション能力でどのように英語の足りない部分を補えることができるのかを学ぶことができました。留学しなければ気付くことのなかったことに目を向けることができ、今回の留学は非常に良い経験であったと感じています。