中丸 希之 様

メルボルン大学 大学院

Humanities & Social Sciences, Master of Applied Linguistics (TESOL stream)

家族を連れての海外生活 : 思い切ってよかった大学院留学

はじめに

40歳を過ぎると誰もがマイホームをと考えると思いますが、私は一度の人生ならばやりたいことに時間と費用をかけるのがよいのではと思い、42歳にしてTOEFL独学・受験を始め、留学準備、そして家族をメルボルンに連れての大学院生活を過ごしました。留学を終えてみんな口を揃えて言うことはやはり同じでしょうが、家族を連れての大学院留学は私自身にとっても、子供たちにとっても本当に貴重な経験になりました。大学院ともなると経験豊かな同年代、さらに先輩がたくさんいらっしゃいます。私と同じ境遇を持つ子供・配偶者を連れての留学生も多く、彼らと励まし合いながら学生生活を送ってきました。

メルボルン大学院

メルボルン大学において、私が専攻した応用言語学は実践的な授業や課題も多く、帰国してから大いに役立っています。エッセイライティングの指導やフィードバック・評価方法、テクノロジーを使った語学学習(例Wiki2.0)、そしてメルボルン大学の特徴ともいえる数人で一つの論文を作るGroup Assignmentは現在の職場でも実践しており、留学前とは視点を変えた取り組みを行っています。
また大学では留学生が必要なサポートも充実しています。人文学部大学院、留学生専門の入試課、言語学の教授、不動産に関する学生課のスタッフなど様々な方面からの支援をいただけたのも留学生が多い大学であるからこそだと思います。

周囲とよい関係に恵まれての生活

メルボルンはさぞ東京を思わせる都会の雰囲気なのかと思いましたが、オーストラリア人の人なつっこさがあり、私たち家族も住みやすい町となりました。長男の小学校の関係で大学まで片道およそ1時間のところに一戸建てを借りて住んでいましたが、隣人は大変親切な人たちでばかりでした。お隣さんはメトロ列車職員でいつも芝刈り機を貸してくれました。3軒先の家族も日本ひいきで部屋には畳がある家を造っていました。その家族が2014年に札幌に遊びに来るので2家族で会う約束をしています。
大学院準備プログラム時のホストマザーもよく私たち家族を家に呼んでくれてはクリスマスディナーやBBQ、冬には毛布や生活必需品、息子たちのおもちゃの調達までしてくれ、周囲の人の優しさに触れながらメルボルン生活を送ることができました。

家族全員がポジティブな方向へ

1年余りの大学院生活でしたが、大学院の授業料のほか長男の小学校授業料、大学までの通学代、医療保険、生活費など多大な費用をかかったことは否めません。マイホームを買う費用は全くなくなりましたが、それ以上に家族それぞれに海外生活のメリットがあったように思います。
たった1年間の在籍でしたが、以前英語が全くわからなかった小学校3年になる長男は英検準2級合格、5歳の次男もメルボルンのラジオから流れていたKaty Perryの歌を帰国後ほぼ1年たった今でも毎日のように歌っています。メルボルン大学にてSpouse English Program に通い続けた家内も、同じ教員住宅内に住む英語指導助手の外国人と英語で会話するなどそれぞれが自分のスタンスで海外生活の経験が生きています。自らのわがままでメルボルン大学大学院に留学して、懐は寒くなっても充実した貴重な経験が私たち家族の明日をしっかり支えているように感じています。

おわりに

大学院留学を考えた時にまず考えたのはオーストラリア・メルボルン大学という学ぶ場所です。時差が少なく、気候も現在私たちが住んでいる場所と大差なく、1年で修士を取得、しかも世界的に有名な教授のもとで応用言語学を学ぶことができるオーストラリアNo1の大学を当初から志望していました。
そのきっかけの後押しをしていただいたのがMECの山下多英子さんです。留学が実現するまでにはTOEFLのスコアが伸び悩んだり、費用の面で不安になったりと気持ちが折れそうでしたが、山下さんの励ましによって支えられ、無事大学院卒業を迎えることができました。山下さんはじめ、MECのスタッフによって私の留学の夢が果たせたことに多大な感謝を寄せると同時に、私の留学体験が今後同じ境遇の方々の留学のきっかけになればと願ってやみません。