Y.S.様

ディーキン大学大学院

ディーキン大学大学院建築学コース(Master of Architecture)について

私はジロングという町にあるディーキン大学大学院ウォーターフロント キャンパスで2年間のコース、Master of Architectureに在学しました。私自身、日本以外の国で建築を学ぶ事が初めての経験だったので、英語で行われる講義についていく事ができるか、課題リポートやプレゼンテーション等をこなしていけるか最初のうちは多くの不安があったことを覚えています。
 
コースでの学習内容はとても多様で、建築・都市デザイン、建築環境学やコストプランまで幅広く学ぶことができます。ほとんどの教科がレクチャーと演習の2部構成になっており、レクチャーで学んだことを、その後に行われる演習で他の学生たちとグループになり課題に取り組むといった内容になっています。このように、グループになって取り組む課題がコースの中に多く取り入れられているので、現地の学生や、様々な国から建築を学びに来ている留学生たちと自然と話す機会も多くなり、多くの学生と親交を深めることができました。レクチャーは、ほとんどのものが録画・録音されているため、講義に出られない時や、聞き逃した箇所があっても、後からオンラインで繰り返し見る事ができます。デザイン科目については週ごとに様々な課題が出されます。私自身、多くの時間を費やすことになったデザイン科目ですが、その時にとても便利だったのが24時間アクセス可能なデザインスタジオとコンピュータールームです。セキュリティーも管理されているこの広いスタジオスペースは、集中してデザイン作業に取り組みたい時、製図作業に励みたい時にとても助かりました。
 
コース2年目はほとんどの学生がThesis(修士論文)とDesign Masterclass(修士設計)に取り組むことになります。特にこれらの作業は大学院での成績だけでなく、卒業後のポートフォリオや進路にも大きく影響するため、限られた期間の中で自分が満足のいく成果を残せるよう、研究テーマの選定等、うまく計画を立て効率よく進めていく必要があります。Thesis、Design Masterclassどちらも、指導教員を自ら選定することになりますが、この選定の際も、どの教授・講師が自分の研究テーマに適しているか、学期を通してうまくコミュニケーションを取っていけそうか良く考える必要があります。
ディーキン大学ウォーターフロントキャンパスは、ここ数年(~2015)で多くの建築・設備改修を行いました。特に最新の設備を整えた図書館やコンピュータールームは高いレベルの学習環境を提供していると私は思います。また、キャンパスは海沿いに立地しているため、海辺を眺められるカフェ・レストランスペース、図書館はとてもリラックスした雰囲気で、良い息抜きの場所になり、課題に追われストレスのたまりがちな学生生活をより充実したものにしてくれるでしょう。

オーストラリアでの就職活動について

大学院で学位を取得した後、オーストラリアでの就職を希望する場合、学生ビザを所持する留学生の場合、種類・方法は様々ですが、基本的には学生ビザからオーストラリアで就労可能なビザの申請・取得が必要になります。
 
オーストラリアでの就職活動は日本のものと違い、特定の時期に企業が一斉に新卒・求人募集を行うというものではありません。そのため、卒業後に少しの休暇を取ってから就職先を探し始めるといった学生もオーストラリアでは珍しくありません。企業が求人広告を出す時期がバラバラであるため、いろいろな求人ボードをこまめにチェックしたり、自分の希望する職種に特化した職業紹介サイトにプロフィール・レジュメを登録したりしながら、希望する求人を見つけ次第応募するといった流れになります。またそれ以外にも、働いてみたいと強く思う企業・事務所があればにそれらの企業のウェブサイト等をチェックし、場合によっては履歴書等を直接渡してみるというのも有効かもしれません。
 
これまでに述べた方法以外にも、ソーシャルディアが広く普及した今、これらのネットワークをうまく利用して就職活動をすることもとても有効でしょう。

最後に

日本人にとって海外の大学院で建築を学び学位を取得するということは、私を含め、特にそれまで母国語以外でのアカデミックな学習環境を経験していない方々にとっては、決して簡単なことではないと思います。建築コースでの課題をこなす事と平行して、英語での論文作成やプレゼンテーションのスキルアップも求められるため、多くの時間をこれらのために費やすことになると思います。しかし、これらの課題も、建築を学びたいという熱意、またこの学位を取得して次のステップに進み、将来の夢を叶えたいという強い思いがあればきっと乗り越えられると思います。
 
建築の学位を海外の大学・大学院で取得するという事は、その言葉以上に大きな意味があると私は感じます。卒業後はその経験が糧となり、日本だけでなく様々な国の建築分野・プロジェクトに関わって働くチャンスもさらに開けるでしょう。私がそうであったように、海外での大学院生活が楽しみで待ち遠しい反面、少し不安がある方もいるかもしれません。ディーキン大学大学院Master of Architectureコース/ウォーターフロント キャンパス は、優秀で親切な教授・講師・その他スタッフと共に、学位取得・学生生活に適した環境を提供・サポートできていると私は思います。これから一歩踏み出そうとしている皆さん、今思い描いている自分の目標、将来の夢を忘れず、あきらめずにがんばってください!ここに記した私の体験談が少しでも皆さんの助けになればとても幸いです。